脳脊髄液減少症に罹患した

2025年1月23日、朝食を食べた後、急激な頭痛と吐き気で立っていられなくなった。横になっていると問題がない。寝ながらリモート会議に参加し、それ以外は寝ているという生活が始まった。この病気は激しいスポーツや交通事故等で起こる事があるようなのだが、全く身に覚えがない。ひたすら横なるという生活が始まった。この時は、完治までこんなに時間がかかるとは想像だにしていなかった。

当時は、この病気の事を知らなかったので、頭痛薬を飲んでリクライニングにした椅子に座って様子を見る等、色々試してみた。一日中横になっている事もあまり良い事ではないではないかと思っていた。しかし全く上手くいかない。結局、横になる。

1月26日、症状が全く良くならない。立つことは勿論上半身を起こすだけでも頭痛がするので、病院にもいけない。もはや限界と思い救急車を呼んでもらった。救急車で近くの比較的大きい病院に搬送された。救急の先生が内科だったため、CTをみても原因が分からないとの事。明日、脳外科の先生がくるから明日来てほしいと言われる。その際、これは髄液減少症の可能性があると言われた。

1月27日、再度同病院を訪問。脳外科の先生がCT画像をみながら、画像を見る限り髄液減少症の様には見えないが、更なる検査はここではできないので別の病院を紹介すると言われ埼玉医科大学を紹介される。原因が分からず正直がっかりした気分で帰宅する。この通院も非常に辛かった。

私は移動が辛いこともあり、数日家で様子を見たかったが、早い方が良いだろうという事で妻がすぐに予約を取ってくれ、翌日外来に行くことになった。この頃になると、多少生活する上でのテクニックのようなものを見つける事ができた。トイレなど歩く必要があるときは、90度腰を屈めて最敬礼の体勢で移動すると頭痛が和らぐ事を発見した。

1月28日、埼玉医科大学の外来にいく。診て頂いたところ、症状としては間違いなく脳脊髄液減少症だがCTとその時に撮ったMRIの画像からは判断できないと言われ検査入院する事になった。病床が空いていればその日か入院という勢いだったが満床のため一旦帰宅した。しかしその夜に先生から電話がきて、他の先生とクロスチェックしたところ、やはり脳脊髄液減少症という見立てになり、1月30日に入院する事になった。

1月30日、入院した。とはいえこの病気は治療というものが限られており、あまりする事がない。主な治療法は生理食塩水を点滴で体に入れるというもので、24時間点滴するという生活が始まった。先生からは、まあ休暇だと思って過ごして下さいと言われた。

6人部屋だったので、夜も色々音がしてなかなか安眠という訳にはいかなかった。特に点滴のアラームがうるさい。また周りの人が先生と会話する内容が聞こえてきて、色々な人生が垣間見えて切ない気持ちになる。入院したのが脳神経内科という事もあり、癲癇やアルツハイマーの話が耳に入ってくる。

24時間の点滴生活が始まり症状が良くなりはじめた。多少歩いても問題がなくなり、20~30分座って会話するのも大丈夫になった。

2月6日、7日、MRIを受ける。実はこの病気、2,3週間で自然治癒する可能性があり、それを期待してMRIの結果が良ければその週末に退院しようかと先生と会話していたのだが、MRIの結果が悪く退院は延期となった。MRIは対象範囲が少ないと(例えば頭部だけなど)20-30分程度で終わるが、私の場合頭部から背骨全体をとるので1時間を超える。受けている最中残り時間が分からないので大変辛かった。

2月12日、入院前に比べれば症状は良くなったものの、それ以上の回復を感じる事が出来なかったので、硬膜外ブロックという処置を受ける事になった。背中に針をいれて硬膜外腔に整理食塩を入れるというものである。脳脊髄液減少症の治療の場合、他にブラッドパッチというものがあるが、私の場合、漏れている原因箇所の範囲が広かったようで、硬膜外ブロックになった。

2月16日、退院。硬膜外ブロックの効果かどうか分からないが、普通に車に乗っていても大丈夫な状態になった。ただ、起き続けるのは難しかった。

退院後、なるべく起きたり歩いたり座ったりする時間を延ばすという生活を過ごし、2週間ほど経ったら95%程度正常な状態に戻ることができた。仕事も再開した。

この間、図書館でたまたま見つけた「チームバチスタの栄光」にはまってしまった。私が経験した体験と小説中の設定がかなり似ていたいためだ。時間だけはあるので、続編も全部読んでしまった。

3月18日、21日、MRIを受ける。今度は造影剤も使用したので、1時間20分ほどかかった。本当にもう受けたくない。

3月27日、外来。MRIを見る限り全く問題はなく症状もないので、2か月後にもう一度確認して終わりにしましょうと言われた。どうやら私の背骨にはとげの様な形になっているものがあるようで、それが原因かもしれないという仮説を教えてもらった。原因については、入院以来ずっと考えていたが、この話を聞いて去年の冬からやり始めたあるストレッチを思い出した。それは、YouTubeで観た肩甲骨を剥がすというストレッチである。このストレッチをすると猫背が治ると言っていた。今にして思えば、とげの事もありこのストレッチとの相性が悪かったのではと思っている。

体を起こすことができずに一日中横になっている生活は本当に辛かった。脳がクリアにならないので何に対しても集中できない。ほぼ正常に戻ったと思えたのは、1.5か月経ったころだろうか。

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