猫と地震と引越しと

3月11日の14時頃、引越し業者のトラックに荷物の積み込みが終了し、我々は猫を連れて綱島駅へ。プラットフォームで待っているとホームが揺れ出した。ホームの境目が時々ズレテいるの見えた。大きい揺れだが暫くすれば電車に乗れるだろうと待っていたが、アナウンスで避難の指示がでため改札の外に移動した。ここで初めて綱島が停電している事に気付いた。

時間がかかりそうだと判断し一旦家に帰った。荷物が全くない家に。猫を抱えているので外に長時間居るわけにもいかない。家に帰ってから時間だけだ悪戯に過ぎて行った。やっと引越し業者の方と携帯が繋がり、今後の事を話しあった。目標の17時に終了するは明らかに不可能なので本日中に終わらせようという事になった。

停電が一向に回復しない。カーテンも無い部屋の中が少しずつ暗くなっていった。iPhoneで状況を確認したら山手線がその日の運行を諦めたのが分かった。何時も利用している綱島街道沿いの日本レンタカーに行ったが、車は借りれなかった。信号が点いていない綱島街道は凄い渋滞だった。引越し業者の方とその後の連絡がとれなくなり11日中の引越し終了は無理だと悟った。

何もする事が無かったので街を探索する事にした。相変わらず停電だが綱島街道には信号がついていた。警察が発電機をそれぞれの信号につけたようだ。駅に向かうと駅周辺の銀行に明かりが点いており、何時動くか分からない電車を待っている人々が銀行の床に直接座り寒さをしのいでいた。普段なら全く人が並んでいない駅前のたこ焼き屋・大阪焼屋に長蛇の列ができていた。

歩き続けていると、暗闇の中に光っている医者の看板があった。最初は自家発電かと思ったが良く見るとその区画の街灯が点いている。綱島西には電気がきていたようだ。その区画のローソンに行くと、なんと普通に営業している様に見える。急いで中に入るとお惣菜・弁当等直ぐに食べられるものは売り切れていた。とりあえず猫のご飯とチョコレートと飲み物を買って一旦家に帰った。

この頃、翌朝まで停電が続く事を覚悟をした。普通なら布団に入って寝てしまえばいいが、引越し中のため家の中のすべての荷物はトラックの中だ。何も無い。明かりになるものがiPhoneしかなかったのでもう一度コンビニにいった。しかしロウソクが売っていない。仕方なかったのでライターを買って帰った。帰る途中公衆電話に長蛇の列ができているのが見えた。

家に帰って横になって寝ようとした時、引越し業者から電話が入り12日の始発で引越し先に移動する事になった。彼らは次の日(土曜日)も当然他の引越しの仕事もあったのだが朝一番に我々の引越しを終わらせれば支障は無いと言った。その後寝ようとしたが寒くて眠れない。布団も暖房もない。寒いので街を歩く事にした。昔テレビで雪国のホームレスの人が深夜になって駅を追い出された後、雪の降る街中を朝まで歩いて過ごすというのを思い出した。じっとしているよりは歩き疲れた方が良いというのが分かった。

この時、停電以外にもう一つ恐怖を感じ始める。iPhoneのバッテリが少なくなってきた事だ。その時の情報源は、ほぼ twitter。なるべくiPhoneを使わないようにした。

12時近く街中を歩いていると電気がついた。本当にほっとした。

なんとか朝まで過ごして引越し先への経路を確認すると、渋谷までの東横線と池袋までの副都心は動いている事は確認できたが東武東上線の情報が無かった。朝5時に綱島駅で駅員さんに聞いてみたが他社の事は分からないとの事。残り少ないバッテリのiPhoneでtwitterを検索する。東武鉄道のトップページは前日の状態から何も変わっておらず、動くのかどうか書かれていなかった。また日経新聞には東武は終日運休と書かれていたらしく、そういったtweetを見つける事ができた。JR川越線経由で向かう事も考えたがこちらも動いていない。しかし6時30分ぐらいになって、東武東上線が動き始めたというtweetを見つけた。最悪移動は午後になる思っていただけに、このtweetを見た時はとても嬉しかった。

東横線・副都心線・有楽町線・東武東上線と2時間程で現地についた。新しい家の前には既に引越し業者のトラックがあった。というよりそこで一晩明かしたようだ。当初の予定より16時間遅れてで引越しは終了した。

今回の件で一番感じたのは、情報にアクセスできなくなる恐怖とtwitterの素晴らしさ。2chでは検索に不便。twitterへの書き込みを検索する事で一番早く状況を把握する事ができた。

それにしても引越し業者のお兄さんは凄かった。トラックの中で寝て、そのまま土曜日の引越し作業を黙々とこなす。

荷物を入れてテレビをつけた時、初めて今回の地震の凄さが分かった。

猫と地震と引越しと」への0件のフィードバック

  1. あの地震の最中、そんなに大変な事が。
    ご無事でなによりです。

    とりあえずはこの地震が収束することが先ですが。
    僕のうちは大泉学園ですので、そのうち
    遊びに行きたいなぁ。

  2. 大変でしたね。猫も含めて、無事でなによりです。

    私も家に戻るまで、猫の安否が気になりました。

    A Lucky!

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